ファンシーちんぽ

レッツデスマッチ

一月

一月も後半に差し掛かり、アホみたいな寒波がやってきた。昨日の夜から狂ったように風が吹き雪でアパートの駐車場にある車が埋められ、ベランダの椅子がバキバキに凍った。昨日の晩に受け取った鹿皮もバキバキに凍った。
近所の学校は休みになったはずだが、窓をみると試験や講義のために登校する者が多く歩いていた。僕はすでに大学が嫌いなので、やってられねえよ死ねと思い、家を出た。嫌いな教授の授業だったとか、寝ツボってヤケクソになったのもあって気分は沈んでいた。
 
東西線で新札幌まで行った。札幌とか大通りは綺麗だけど自分が浮いてしまうので、できるだけ離れた。今日はいろんな日常から逃れたかった。改札を通るとすぐにチュイン、チュインと宇宙船のレーザー砲みたいな音を立てて電車が来た。札幌の地下鉄はレーザーを標準装備しているのでロシアが攻めに来ないのだ。地下鉄の中は暖かい淀んだ空気に満ちていて、赤くなっていた指先がすぐに元に戻った。角幡唯介のエッセイを読んで新札幌まで時間を潰す。今日は咳が出なかったが、隣に座っていたオバサンが急に顔面を保湿していたので本当は乾燥していたのかもしれない。キタカの残高は540円だったので家に帰ってこられるなと思い、またちょっと憂鬱になった。

 

改札を出てからイオンに行った。平日昼だから大きな駅ビルなのに人は少なく、生まれたところのデパートと似た雰囲気だった。すこし気分が落ち着いたので白菜と豆板醤を買った。彼女の大学は休校だったから、彼女の家で麻婆豆腐を食べることにしたのだった。沖縄フェアをやっていたので、パイナップルジュースとシークワーサージュースも買って、帰りに値引きされていたおやきも買って彼女の家に帰った。

帰ってからおやきをチンして食べた。道中アホみたいな寒波のせいで凍えていたおやきがアチアチになったので嬉しくなり、ちぎって彼女の口に次々いれた。5個入りを買ったのに1個半で「もういいかも」と言った彼女はそのあとドラムの楽譜を作っていた。僕はシークワーサージュースを飲みながらそれをみていた。食べてからは昼寝をした。彼女が起きて炊飯しているのにも気づかないほど眠っていた。変な夢をみていた。

ダウンタウンの浜田と添い寝する夢だった。夢の中では僕は芸能人になっていたらしいが、部活のことなどを相談していた。浜田に。夢の中の浜田はテレビで見るより優しかったので夢だと気づいた。

 

明日は講義を受けて、洗濯をしようと思う。